るいは智を呼ぶ -フルボイスエディション- 感想(レビュー)
【るいは智を呼ぶ -フルボイスエディション-】
〜Story〜
運命に選ばれた8人の少年と少女達の物語
運命はいつだって問答無用にやってくる。自分たちをお構いなしに自分勝手に巡っていく。
「皆本 るい」は、家なし子だった。
「花城 花鶏」は、奪われたものを取り返すためにやってきた。
「鳴滝 こより」は、消えた婚約者を探していた。
「茅場 茜子」は、父の不始末のとばっちりを受けていた。
「白鞘 伊代」は、ひとりぼっちだった。
そして……
猫かぶりの優等生、「和久津 智」は断末魔の叫びをあげていた。
智には「痣」がある。宿命のような運命のような、烙印めいた小さな痣だ。
その痣は、きっと昔から、ろくでもない先生きを予告していたのだろう。
死んだ母から手紙が届いて以来、地雷原に迷い込んだように引きも切らずトラブルが押しかける。
宿命のように運命のように次々と押し寄せる災厄の中、涙目の智が出会った少女たちの身体には、智と同じ形の痣があった。
言語道断な呪われた青春と対峙するために、一心でもなく同体でもない、六人の少女が同盟を結ぶ。
「つまり、これは同盟だ。破られない契約、裏切らない誓約、あるいは互いを縛る制約でもある。僕たちは口約束をかわす、指切りをする、サインを交換し、血判状に徴を押して、黒い羊皮紙に血のインクでしたためる。」
「一人で戦えないから力を合わせる。一本の矢が折れるなら五本六本と束ねてしまえばいい。利害の一致だ。利用の関係だ。気に入らないところに目をつぶり、相手の秀でている部分の力を借りる。誰かの失敗をフォローして、自分の勝ち得たものを分け与える。」
「誰かのためじゃなく自分のために、自身のために。」
「僕たちはひとつの“群れ”になる。群れはお互いを守るためのものなんだ。」
いつか来る平穏無事な日々を夢見て、全身全霊で疾走するでこぼこだらけの少女たちは、いつしか固い絆で結ばれていく。
けれど……和久津智は仲間にもいえない秘密を隠し持っていた。
彼女は「男の子」だったのだ――。
【シナリオ】
上記のストーリーを補足すると、「呪い」と言う制約と代価として得た「能力」、それを生まれながらにして持ってしまった8人の少年と少女達が呪いを解こうとする物語です。
テキストの言い回しが独特のもので、苦手な人は受け付けないかもしれません。
自分は気になりませんでしたけど。
各√で徐々に明かされていく呪いと能力の謎、そして茜子√(この作品のTRUE√みたいなもの)での最後の謎解きの展開には非常に楽しませてもらいました。
しかもこういうTRUEがすごい作品にありがちな、この√のために他の√があったみたいな感じじゃなかったのが素晴らしい。
どの√も呪いを解こうとしつつも、僅かな違いから別の展開を見せる各√の差別化は筆舌にし難いものがありました。
【CG】
この作品の前にやった「‘&’ -空の向こうで咲きますように-」が、「るいは智を呼ぶ」の次の次の作品であったためにCGが劣化しているように感じられて(当たり前だけど)残念でした。
しかし昔に出したゲームにしては解像度など思ったより全然気にならなくてよかったです。
さすが大手メーカー。
以下公式HPより。
【るい】
「どんなもん」
【こより】
「ほうほう〜♪」
得意満面な、るい。
変な虫がお腹の奥でざわつきだす。
楽しそう。
他の面子と顔を見合わせて、舌なめずり。
【伊代】
「ラクガキってロックよね」
【花鶏】
「反社会的行為っていいたいわけ?」
【茜子】
「レトリック的[欺'ぎ][瞞'まん]」
ごちゃつきながら、手に手にスプレーを取り上げる。
薄汚れた壁。とっくに色とりどりの壁。
【智】
「なんて青春的カンバス」
【こより】
「わかりませんのですよ」
【智】
「悪いことしたいお年頃ってこと」
【こより】
「了解ッス!」
皆そろって悪い顔。
ニヤリと口元を三日月みたいにつり上げて。
【智】
「せーの――――」
【キャラ】
なんかみんな智が好きみたいだねw
確かに好きになる魅力もかなりわかるけどねー
でもるい、こより、茜子とかもよくない?
こよりの声優はいい仕事してる。
【音楽】
呪いの時のBGM怖すぎ;;
日本人ならほとんどの人が怖がっちゃうと思います。
OPは想像と違ってかっこよかった。
【システム・演出】
ちょっと昔の作品にしてはそろっててよかった。
全然不便に感じなかったし。
【総合】
「暁WORKS」さんから2008年に販売された「るいは智を呼ぶ」(フルボイスエディションはもう少しあとですが)
名作という評判に違わず素晴らしい出来でした!
少し絵が古臭いかもしれませんが、皆さんにも是非やってもらいたいです!><
【総合評価】
A (ABCDEの五段階評価)