いつか、届く、あの空に。 感想(レビュー)

いつか、届く、あの空に。

〜Story〜

──この街には、決して越えられない「雲」がある。
ずっとずっと、夜空の輝きを遮ってきた雲がある。
だから、星空が遠すぎて。
小さな願いは、いつしか大きな憧れへと変わっていった。

雲に包まれたこの街で。
満天の星空を夢見る少女たちがいる。

──これは、柔らかくゆるやかな日々に、淡い夢を見るお話。


──どこまでもどこまでも──
それは、空が青く澄み渡っていた日の朝。

巽の家を出た策は、この街へとやってきた。
空明市。
まるであの空を切り取り、名刺代わりに差し出されたような名の。
──どこか優しく頬を撫でていく、この街の空気。

「お前は好きに生きなさい」
あの厳格な祖父にそう告げられた時、策は自分が巽の者として失格した事を理解した。
わかっていた事だ。
ずっとずっと昔から、わかっていた。
それでも受け入れてしまう事はできなくて、諦めきれなくて、
無様に努力だけを続けてきた。
父のように。
兄のように。
自分にだって、巽の家に生まれついた者が持っていて当たり前のものがあるのだと、
認めて欲しかった。

けれど今、自分はここにいる。
祖先が住んでいたという、古ぼけた屋敷が目の前にある。
「巽の者を代表して、誰かがあの街に行かなければならない」
祖父がそう告げた時、ろくに内容も確認せず、策は話に乗った。
それが、あの家から出る理由となるのなら。

この街の優しさに少しだけ甘えながら。
新しい生活が始まるのだと。
そう決心して、これから住まう事になる屋敷の門を潜った──

これは、柔らかくゆるやかな日々に、淡い夢を見るお話。
……そして、ゆっくりと。
ゆっくりゆっくりと、

雨が降り積もっていく物語。

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乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris- 感想(レビュー)

乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-】

〜Story〜

主人公『大蔵遊星』は、日本の財界を代表する“華麗なる一族”大蔵家の末端に、望まれぬ子として生を受けた。
長じて人並みの夢と希望を手に入れた遊星は、性別を偽り『桜小路ルナ』に仕えることで、
大蔵家という自らを閉じ込める籠を脱して夢の一端に触れることができた。
しかし些細なミスで掴んだ夢の端は崩れおち、居場所をなくした遊星は、兄に拾われて再び籠の中の鳥となった。

遊星の妹『大蔵里想奈(りそな)』は、大蔵家の嫡子と正妻の間に生まれ、愛の上に愛を重ねて大切に育てられた。
何一つ不自由なく育てられて里想奈だが、幾重にも重ねられた両親の愛は、やがて固まり歪な繭となって、さなぎになる前の彼女を包みこんだ。
里想奈が気付いた頃には、その繭は自力で破れなくなってしまった。居心地の良い繭の中で抵抗する気力を奪われ、里想奈は外へ出ることを捨てた。

――ある日、彼らの兄は試みとして、籠の中へ繭を放りこんだ。

里想奈は外の世界に憧れて、兄に尋ねた。「私は繭の外へ出られますか」

遊星は繭を啄き、その殻を嘴で壊せることに気が付いた。「出られるよ」

安全だった籠と繭を捨て、遊星と里想奈は微笑みあいながら同じ言葉を口にした。
「二人なら旅立てる」――

『フィリア女学院日本校』へ通えなくなった遊星のため、りそなは『パリ校』への留学を提案する。
遊星は再び庶民の娘『小倉朝日』となり、りそなに仕えるメイドとして、服飾専修機関へ通うこととなった。

パリには新しい少女たちとの出逢いがあった。
純粋な心に卓越的な才能を持ちあわせる『メリル』。
その主人であり、明るく親切に二人を迎える『ブリュエット』。
同級生の『リリアーヌ』や、個性的な留学生の『ディートリンデ』。そしてそれぞれの従者たち。

新しい国で様々な出会いを経験し、遊星兄妹の主従としての生活が始まった。
遊星=朝日は自らの夢を追い、りそなは自立するための勇気を求める。
しかしすべてが前途洋々に進むはずもなく、新天地の厳しさ、二人を逃がした兄、
さらに大蔵家の追跡が襲いかかる。

果たしてお互いの願いを支えあいながら、遊星兄妹は学院生活を送ることができるのか?

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ブログ開設3周年記念記事

朝気づいたんですが3周年でした。思い出した自分を褒めたいです。



実は1週間ちょっと入院していたため更新が止まってしまいすみません。

でもなぜかどんどんブログモチベが落ちているので、これからはこのように週1更新じゃなくなるかもしれません(

しかし今後も書きたいと思ったことは記事書いてあげるというスタンスは変わらないつもりなので(今まではそれがたまたま週1くらいのペースだった)、適当に見に来てくれるとうれしいです。



特にエロゲレビュー記事はやってない人向けにネタバレ無しで書いているつもりなので気軽に見てください。

PRIMAL×HEARTS 感想(レビュー)

【PRIMAL×HEARTS】

〜Story〜

伝統を重んじる月華会と、革新を求める天道会。
2つの生徒会が選挙で政策を競い合う間ノ島学園では、各生徒会の支持者数がキッチリ五分と五分になるという事態が発生していた。

そんな状況とは知らずに転入してきた主人公・帯刀和馬は転入初日早々、両生徒会から激しい勧誘合戦にあってしまう。

ノーブルで落ち着いた雰囲気の月華会か?
それとも、お洒落で近代的な天道会か?

2つの生徒会から勧誘を受けるという学園生活が幕を開けるのだった!

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10月発表新作チェック&近況報告

ポケモン

あいオフいけなくなってしまいショック。大人しく来月のORAS待ちます。

【PCゲーム】

あの晴れわたる空より高く」が大当たりでテンション上がりました。今は昔やったやつをやり直してます。「月に寄りそう乙女の作法2」が延期したのが痛い。



・花の野に咲くうたかたの

あっぷりけ」さんの新作なのでチェック。塗りの雰囲気変わった?

・ピュア×コネクト

SMEE」さんの新作は信者なので買わざるを得ない。

時計仕掛けのレイライン‐朝霧に散る花‐

3部作の最終作。1部しかやってないけど面白かったし2部手を出すかー?

・クロノクロック

Purple software」さんの新作。克さん原画だしおそらく買う。

・鯨神のティアスティラ

まみずさんラインの作品はいつも面白そうだったら買おうと思ってるんだよ!今度こそ頼むよ「Whirlpool」さん!

青春ロケットADV『あの晴れわたる空より高く』

2014年発売予定のNavel新作『月に寄りそう乙女の作法2』を応援しています!

あの晴れわたる空より高く 感想(レビュー)

あの晴れわたる空より高く

〜Story〜

たった5人で始めたロケット開発。予算も設備も技術も足りず、多くの人が「不可能だ」と口にした。だけど俺は……
俺たちは、誰一人として諦めなかった――


本土から遥か南、俺が住むこの天ノ島では宇宙航空研究が盛んだ。“天ノ島学園”の宇宙航空学科には、
未来のロケット技術者を目指して毎年、全国から多くの学生が集まってくる。


プロジェクトマネージャー“暁有佐”「ね、一緒にロケットを作らない?」


だから正直、驚いた。普通科で、自他共に認めるバカの俺を“暁有佐”が誘ってきたときは。
だけど、彼女の目はあまりにまっすぐで……俺は心を揺さぶられた。


有佐が部長をつとめる弱小ロケット部“ビャッコ”への入部を俺が決意しようとした、その時――


電装担当“黎明夏帆”「ビャッコじゃ無理」


現れたのは、学園内に数あるロケット部の中で最大規模にして最高の実績をほこる“ARC”の
副部長“黎明夏帆”彼女が俺たちに突きつけたのは突然の廃部通告だった……!?

ビャッコが廃部をまぬがれるための条件はひとつ。それは「二学期までにロケット大会で優勝すること」だ。


推進担当“伊吹那津奈”「ビャッコでもロケットちゃんは作れます」


ロケットに恋する先輩部員“伊吹那津奈”に、


機体担当“導木ほのか”「ほのかはまたせんぱいと部活したい」


いたずら好きな幼なじみ“導木ほのか”を加え、ライバルであるはずの夏帆まで巻き込んで、
俺たちはロケット開発に挑戦する。


目指すは大会優勝、ビャッコの存続だ!
そして、なんとしてでも自分たちの手で、ロケットを宇宙に打ち上げてみせる……!!



高度100km――



あの晴れわたる空より高く――



そこに夢の結末があると信じて、俺たちは今日も走り続ける。

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月に寄りそう乙女の作法 感想(レビュー)

【月に寄りそう乙女の作法】

〜Story〜

主人公『大蔵遊星』は、日本の財界を代表する“華麗なる一族”大蔵家の末端に、望まれぬ子として生を受けた。
優秀な親族や家庭教師のもとで厳しく育てられた遊星は、多芸に秀でた万能家であったが、いうなれば籠の中の鳥であり、およそ人並みの夢や希望などとは無縁の生涯だった。

そんな遊星が、初めて一族の監視下を離れ、ひとりで外の世界へ出る機会を得た。
名もなき庶民の娘『小倉朝日』となって素性を伏せ、上流階級の子女が集う服飾専修機関『フィリア女学院』へ潜入することになったのだ。

その一環として遊星(=朝日)は、学院一のスーパー同級生『桜小路ルナ』に仕えるメイドとして、彼女の住まう『桜屋敷』で働くことに。

そしてそこには、ルナと縁のある学院生らが同居するという。
一人はスイスから来た誇り高き留学生『ユルシュール』。
一人は旧華族の流れを汲む家柄の大和撫子『花之宮瑞穂』。
そしてもう一人が、少年時代の主人公に恋していた庶民派の社長令嬢『柳ケ瀬湊』。

いずれも個性的なお嬢様方に加えて、それぞれに付き従う超個性的な従者たちが遊星(=朝日)の生活を引っかきまわす。
果たして遊星は、素性(おもに性別)を偽ったまま、屋敷と学園の二重生活を無事に過ごすことが出来るのか?

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