恋ではなく---It’s not love,but so where near. 感想(レビュー)
【恋ではなく---It’s not love,but so where near.】
〜Story〜
「事実上複製が不可能な……世界にたった一つしか存在しない、特別な一本を撮らないか」
晩秋。日本海に面した古い街の片隅。
かれらはある少年のそんな言葉に導かれて、古びた8mmカメラをまわしはじめる。
「卒業までの半年で、あいつとの答えをださなきゃな」
瞬きする小さなファインダーの中にうつるのは、それぞれの思惑、愛憎、打算、そしてプライド。
「……これはもしかしたら、好きって感情とは違うのかもしれない。でも……」
やがて、レンズを通して明らかになっていくのは、
必ずしも正しい気持ちではない……それぞれの、真実の望み。
共通の幼なじみ、阿藤扶の「卒業までに映画を一本撮りたい」という望みにこたえ、
数年ぶりに互いに言葉を交わす主人公、槇島祐未と八坂典史。
映研、写真部、デジタルメディア同好会を巻き込み、やがて撮影隊は日本海の孤島、飛島ロケを敢行する。
みんなで過ごすクリスマス、因縁のバレンタイン。友情と恋愛、そしてライバル心に翻弄されながらも、
かれらは時には映画を、時には写真を撮りつづける。
だが、卒業後の進路が異なる彼らに、残された時間はけっしてそう多くはなかった。
そして、クランクアップの時、彼らが選ぶ選択とは?
【シナリオ】
「恋ではない気持ち」をテーマに、恋について描く今作
3つの√でそれぞれ祐未と典史の結ばれる結末を描き、グランド√で祐未と典史がお互いに抱いている「恋ではない気持ち」に答えを出す構成になっています
このような構成での表現方法はノベルゲーム特有のもので、決して映画や漫画、小説、アニメでは表現できないものなので、やはりPCゲームもまた自分の何かを作品に表現したいときに用いられる手段としては優秀なものであるということを改めて実感させてもらいました
この作品の面白いところは、“恋”というおそらく誰もが経験したことのあるものを描き、そんなプレイヤーに「恋ではない気持ち」を見せることによって“恋”について考えさせられる点だと思います
人によってはこれも“恋”と言うかもしれないし、これは“恋”ではないと思うかもしれない
だがどっちの結論に至っても結局は“恋”というものについて考える、という作品になっています
かくいう私は、この作品が「恋ではない気持ち」をテーマにしていると知り、それが描く恋愛模様を見てなにか“恋”について心に響くものがあればいいと期待し購入したのですごく満足です
シナリオは心理描写がうまく巧みで、かなり引き込まれました
あと主人公が2人ということで視点がかなりころころ変わります
グランド√にいたってはサブキャラにまで視点が変わるので集中してないとたまに誰の視点かわからなくなることがありました
【CG】
さすがトモセシュンサクさん!
すごくきれい!
ヒロインが1人なのに枚数もきっちりあってかなり満足
【キャラ】
あっちゃんかっこいーーー
祐未もかわいいよ好きだよ
典史はグランド√かっこよすぎ最後によくやった
【音楽】
世界観に合った落ち着いたBGMだった
OPは聴いてると泣けてくる
【システム】
1つだけ不満があるとすれば、シナリオゲーなんだからいったんゲームやめてから始めた時にきちんとセーブ前の文をバックログで読めるようにしてほしかった
【総合】
“恋”というものについてよく考えさせられる内容であったし、それに期待して購入したので自分はすごく満足です
ヒロインが1人というかなり変わった構成なので、祐未が気に入らなければ地雷になる可能性があります
「恋ではない気持ち」をテーマに、恋について描くという言葉が気になる人は買うのをおすすめします
あとCGも結構多いのでトモセシュンサクさんが好きな人も買って損はないと思います
【総合評価】
A (ABCDEの五段階評価)