時計仕掛けのレイライン −黄昏時の境界線− 感想(レビュー)

時計仕掛けのレイライン −黄昏時の境界線−】

〜Story〜

山奥にそびえたつ大きな時計塔のある全寮制学園に新入生としてやってきた主人公。
しかし、初登校の日にいきなりトラブルに巻き込まれ、学園の入り口にある高価そうな像を壊してしまう。
学園長から、弁償の代わりにしばらく働けと指示された主人公は、トラブルの原因となった一人の同級生と共に『特殊事案調査分室』に配属されることに。
大きな地下図書館の奥にある分室の部屋に行ってみると、そこには無関心な様子で一人の少女が待っていた。
わけもわからないまま、二人は少女から告げられる。
この学園では、本物の魔術が生きているのだ―――と。
時計塔の鐘の音と共に、学園には『夜の世界』が現れ、校舎と一体化するのであると。
分室の仕事は、学園で起こるあらゆる魔術的な問題を解決すること。
こうして主人公たちは、様々な『遺品』に翻弄されながらも学園のために奔走することになるのだが――。


『遺品(ミスト)』(魔術道具)

学園の創設者クラール・ラズリットは、魔術的な要素の含まれたさまざまな品物を世界中から集め、学園の地下にある図書館のさらに地下にある地下宝物庫に保護もしくは封印して管理している。
学園内に封印するため、すべての品物には創設者の刻印が押され、刻印の魔術により学園の敷地外には持ち出せないように細工がされている。
学園が管理しているこれらの魔術道具は『遺品(ミスト)』と呼ばれ、遺品には個々に様々な能力があり、使用期限や条件もある。また、扱うには使用者の潜在魔力が必要となり、魔力が足りない場合は何らかの代償が求められることもある。
遺品の力を必要とする人間の元に現れる、または人間を引き寄せるような傾向にある。
遺品を扱う人間はその遺品が求める代償(もしくはその詳細)が分からずに使用しトラブルになることも。
なお、学園を創設するにあたって創設者が作成した全ての遺品の種類と能力の詳細を記した目録があり、学園の地下図書館におさめられている。


『魔術』と『魔女(マギエ)』

作中の人物はほとんどが普通の人間であり、不思議なことはすべて学園に存在する魔術道具である『遺品』によって引き起こされている。
それぞれの法則に沿った現象しか起きないため、道具の特性さえわかっていれば普通の人間でも対処が可能。
ただし、中にはほんの一握りであるが『魔女(マギエ)』と呼ばれる魔術的な力を持った特別な人間が存在すると言われている。


『夜の世界』とは

時計塔の鐘の音とともに学園の校舎の中のみに現れるこの世とは別の世界。今の現実世界とほとんど変わらないが「夜しかない世界」のような状態で、このときは学園の外への出口が一切無くなり、誰も学園の外に出られなくなる。
夜の世界の住人たちもごく普通の学園生活を送っていて通常の世界の人間たちとなんら変わらない様子だが、彼らは『夜』しか知らないので昼の世界の常識が無い。
また同様に通常世界の人間たちも『夜の世界』を知らないので、両方を行き来できるのはごく限られた者たちのみとなっている。


【シナリオ】

公式ホームページに「準備中の小説版を含め、バックボーンや世界観は広く作っておりますので、今回の作品で描かれているのはその一部といった感じになります。」と書かれていますが、この言葉以上に一部で終わってしまった印象を受けました。
昨今のフルプライスにしてはシナリオが短く、起承転結の起承で終わってしまったような感じがします。

しかしじゃああまり面白くないのかというとそうではないのがこの作品のいいところ。
毎回起こる事件を推理しながら解決するというこの流れは面白くテンポもいいし、キャラ同士のやり取りも見ていて楽しめました。

つまりこの作品は、シナリオが起承転結の起承までしか描かれていないものの、話や設定などは面白いというなんとも評価のしづらいものとなっております。

【CG】

魔術的なものの塗りが、透明感があってすごく綺麗。
背景にする雰囲気作りの塗りが他のメーカーよりうまいように感じるのは俺だけかな?

【キャラ】

憂緒ちゃん1択ですね。
憂緒√での展開はびっくりした・・・まあありだとは思うけど。

【音楽】

BGMはバイオリンが用いられたりしており世界観に合ってた。
OPは声もアニメーションもかっこよすぎ。

【システム・演出】

遺品を封印するときや夜の世界に変わるときアニメーションが使用されており、それが非常に良く出来ていたのでテンション上がった。

【総合】

UNiSONSHIFT:Blossom 」さんの新作「 時計仕掛けのレイライン −黄昏時の境界線−
自分はそこそこ楽しめましたが、シナリオのところにも書いたように短く伏線が回収しきれてないところがあります。
この作品は続編を出すことをすでに発表されていますし、今はよほど気になっている人以外は避けた方が無難かと思います。

【総合評価】

C (ABCDEの五段階評価)

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